金本監督の「拡大」クローザー構想でも期待されるセットアッパー候補の阪神歳内宏明投手(22)を直撃した。今キャンプではスライダーに磨きを掛けていることを告白。勝負の5年目へ、来季の50試合登板を絶対目標に掲げた。

 -キャンプ2日目にはブルペン投球中に金本新監督が打席に立った

 歳内 ブルペンで立ってもらった時は、いい球を投げてやろうと思いました。それで力んでバラバラになっちゃいましたけど。多くいる投手の中で、立ってもらって、期待してもらっているんだなと感じた。

 -金本新監督の印象は

 歳内 現役の最後に1年間だけかぶってるんです。初登板の時(12年9月2日広島戦)に代打でタイムリー打ってもらった。かぶってなかったらもっと、もっと遠い存在だったと思います。

 -2クールを終えてキャンプの手応えは

 歳内 体を鍛えるという面ではメニューも去年、一昨年より増えている。練習量は年々、増えてきている。具体的に取り組んでいるのはスライダーとか変化球。シーズン中には使っていなかった球種をいろいろ試しながらやってます。

 -スライダーに取り組む理由は

 歳内 力のないバッターは多少甘くても強い真っすぐを投げていれば、ファウルになったり、フライになる。ただ、中軸とかだと痛打される場面が今年はあった。そういうところで2ボールとか1球スライダーを挟んだりすると、もっと幅もでる。

 -ブルペンで学んだ

 歳内 安藤さん、福原さんを見ていても、2ボールになっても安藤さんだったらツーシーム、フォークでカウントを整える。福原さんだったらスライダーでカウント整えて、まずそこから。自分にはないところだなと感じていた。

 -得意球スプリットは縦の変化。スライダーに求める変化は

 歳内 変化は小さくてもいいんです。こういう球種もあるんだと打者を惑わすことが出来れば。今年はほとんどスライダーを投げなかった。来年はそれで惑わすことが出来ればと思う。

 -先発への未練は

 歳内 本格的に中継ぎをしたのは今年が初めてだった。去年までの3年間は先発を狙いながらという感じだった。中継ぎ8、先発2くらいの感覚。今年は中継ぎとしての違和感はなかった。もう吹っ切れました。

 -中継ぎとして来季の目標

 歳内 最低でも50試合を投げたい。今年もけががなければ、ペース的には60試合くらい投げられた。試合に入るまでの(肩の)作り方とか、体のケアとかを勉強した。7回、8回とかポジションを与えられるのが理想でしょうが、とにかくみんなで最後につなげられるように。1年を通して貢献したい。【取材・構成=桝井聡】

 ◆歳内宏明(さいうち・ひろあき)1993年(平5)7月19日、兵庫県生まれ。聖光学院では2年夏の甲子園で広陵、履正社を破り8強入り。3年夏は日南学園、金沢との2試合で30奪三振。11年ドラフト2位で阪神入り。12年9月2日広島戦でプロ初登板初先発(勝敗つかず)。今季は29試合に登板し1勝1敗、防御率2・62。プロ通算48試合で2勝4敗。184センチ、89キロ。右投げ右打ち。