侍ジャパンが21日の決勝に進出した場合、先発マウンドを武田翔太投手(22)に託すことが18日までに内定した。武田は12日のドミニカ共和国戦に先発し、4回を5安打無失点に抑えたが、右足首の違和感を訴えて降板していた。その後、菅野とともに最終決戦に向け調整してきたが「くじいたような感じでしたが、あの一瞬だけでしたね。もう大丈夫」と、幸い患部は軽傷だったことからゴーサインが出た。

 最大の武器は縦に大きく曲がるカーブ。パワーヒッターがそろう国際大会では縦の変化球が勝負球として有効的になることも、抜てきの決め手となった。前日17日は先発投手陣の練習には参加せずに、宿舎近くで足裏マッサージを受けるなどしてリフレッシュ。マイペース調整を続けてきたが、今日19日にブルペン投球を再開させ本格的な調整に入る。

 対戦相手は米国かメキシコで、どちらも初対戦の相手となる。最初で最後の一発勝負も、今季は大舞台で結果を出し続けてきた自負がある。ソフトバンクでは勝ち頭の13勝を挙げ、CS、日本シリーズともに初戦の先発を任せられ、チームに勝利をもたらした。侍ジャパンでの大役に「日の丸をつけて戦うのでしっかり投げたい」と決意を込めた。侍ジャパンの大トリは22歳右腕が満を持してマウンドに上がる。【石橋隆雄】

 ◆日本の決勝先発 五輪(プロ参加の00年以降)とWBCで、日本の決勝進出は06、09年WBCの2度。06年キューバ戦先発の松坂(西武)は4回1失点で勝利投手。09年韓国戦では先発岩隈(楽天)が7回2/3を2失点と好投し、9回から2イニングを投げたダルビッシュ(日本ハム)が勝利投手になった。松坂は当時25歳、岩隈は27歳で、22歳の武田が先発すればプロ参加後の最年少起用となる。