目指せ、レジェンド遊撃手! 阪神鳥谷敬内野手(34)が2日、東京都内で行われた「第44回三井ゴールデン・グラブ賞表彰式」に出席した。遊撃部門で3年連続4度目の受賞となり、来季5度目受賞となれば阪神遊撃手最多に躍り出る。さらに、遊撃手の球界最年長受賞記録である12年中日井端の37歳もいよいよ視界に入ってきた。

 表彰式の動きも慣れたモノだ。鳥谷はどっしりと壇上の椅子に腰かけ、右隣の福留と笑い合う余裕さえあった。式に出席した名手17人の中でも貫禄が際立つ。3年連続4度目のゴールデングラブ賞。まだまだ数字を伸ばし、レジェンドの称号に近づくつもりだ。

 鳥谷 年齢でやるものではないので。何歳だからゴールデングラブ賞は無理、とかはない。できるだけ年齢がいっても(賞を)取れればいいと思っています。

 今季の失策数は14。4月の右わき腹負傷、6月には死球で背中を痛めた影響も響き、3年ぶりに2桁台となった。「(巨人)坂本くんが賞を取るだろうと思っていたのでビックリしました」。それでも票が集まった。土のグラウンドを本拠地としながら、卓越した技術と読みで不規則な打球をカバー。143試合フルイニング出場した功績も評価された形だが、本人はもちろん満足していない。

 鳥谷 万全でプレーできれば、もっといい形でいけると思います。

 35歳シーズンの来季に向け、チラリと自信ものぞかせた。球界屈指の「練習の虫」として知られ、筋力トレーニングなどで鍛え上げられた肉体はまだ若々しい。今オフに遊撃手の元祖名手、久慈内野守備走塁コーチが再入閣した流れもプラスになるはずだ。「自分の守備を変えてくれたコーチ。また一から作っていきたい」と力を込めた。

 阪神遊撃手のゴールデングラブ賞4度は平田(84~87年の4年連続)以来2人目。来季も名手の座を死守すれば、ひとまず球団最強遊撃手に君臨する。

 鳥谷 人を超えるためにプレーしているわけではないけど、多く取れるに越したことはない。来年も取れるようにしたいですね。

 球団の枠を飛び越えれば、12年井端が持つ37歳受賞という球界遊撃手最年長記録の更新も視界に入ってくる。1609試合連続出場中の鉄人なら、不可能ではない領域。1日1日任務を全うした先に、歴史の扉が待っている。【佐井陽介】