金本流ボディーで開幕1軍へ! 阪神ドラフト6位の亜大・板山祐太郎外野手(21)が6日、甲子園クラブハウスで行われた身体測定で驚異の数値を連発し、強靱(きょうじん)ボディーを実証した。茶わん17杯分にあたる1日2500グラムの食事で土台を強化。最下位指名ながら、同じ左打ちの外野手、ドラフト1位の明大・高山俊(22)に負けるつもりはない。

 金本チルドレンの秘蔵っ子はウルトラボディーの持ち主だった。身長180センチ、体重はドラフト時の発表より2キロ減って77キロ。プロの世界では決して大型ではないが、指揮官がほれ込み指名を決めたわけは、数字を見れば一目瞭然だった。

 板山 体は大学4年間鍛えてきたので自信があります。高山がケガをしていて(体力測定を)やってないこともありますけど、入るまでにしっかり力をつけて差をつけていきたいですね。

 この日甲子園のクラブハウスで行われた新人の体力測定。「7種目あって3、4種目くらいですね」と、垂直跳びやスイングスピードなどでトップの数値を記録した。垂直跳びは75センチ。虎の鉄人鳥谷が70センチだったことから、トップクラスの瞬発力を兼ね備えていることが分かる。トランクローテーションというロープを引っ張り体幹の強さを測る種目では、1400キロオーバーを記録。チーム平均は約1000キロで虎でも1、2を争う驚きの数値をマークしてみせた。

 亜大野球部は昨秋から金本監督が現役時利用していた広島市内のトレーニングクラブ「アスリート」と契約。板山もアニキ流のトレーニングを積んできた。今冬を越えると、ベンチプレスを90キロから105キロを持ち上げるまで成長。さらに寮では1日で約2500グラムの白米を消化。茶わん1杯が約150グラムとすれば、単純計算で茶わん約17杯分を毎日たいらげていたのだ。おかわり君も真っ青の努力の成果を同期入団メンバーに見せつけ、まずはスタートダッシュ成功。しかしこの程度で板山は満足しない。ドラフト1位の高山にも反骨心をむきだし、互いに鍛えていくつもりだ。

 板山 大学時代の成績をみたら雲の上の存在ですけど、やっぱり同じチームに入って同じ外野手で同じ左打者というだけでも、競争意識を持ってやっていかないといけない。

 燃費がいいため、これだけ食べても体重が減るのが悩み。今後は1月上旬の入寮までに体重を80キロ台にまで乗せるのが目標だ。ドラフト最下位指名でも構わない。大食漢のアイアンマンが大物食いでレギュラーを奪取する。【梶本長之】

 ◆板山祐太郎(いたやま・ゆうたろう)1994年(平6)3月27日、神奈川生まれ。成立学園では1年夏から二塁手のレギュラー。亜大2年時に外野手に転向し、ベストナイン3度受賞。15年ドラフト6位で阪神入り。シャープなスイングからの長打力に、安定した守備力も併せ持つ。180センチ、77キロ。右投げ左打ち。

<阪神近年の新人体力測定>

 ◆06年 高校生1巡目野原将の太ももが69センチと判明。エース井川の70センチに迫る太さで期待が膨らんだ。

 ◆07年 大学・社会人4巡目で身長190センチの黒田が、垂直跳びで72センチ。投手では出色の70センチ超え。

 ◆08年 3位の上本が垂直跳びで新人トップの76センチを記録。チーム平均60センチを上回った。

 ◆09年 3位甲斐の握力は右80・2キロ、左78・9キロ(球団平均60キロ)。垂直跳びも68センチ(同59・1センチ)。

 ◆10年 2位の一二三が、高卒ルーキーでは突出した懸垂16回。

 ◆11年 1位の伊藤隼が懸垂で21回を記録。03年鳥谷の13回を超えた。垂直跳びでも69センチで、鳥谷に1センチ差に迫った。

 ◆12年 1位藤浪が、阪神の高卒投手最高となる背筋力203キロを計測した。

 ◆13年 1位岩貞が、バランスディスク上での片足立ちで20秒の好記録。

 ◆14年 2位の石崎は、背筋で新人トップの180キロ。