背番号「61」の誓いだ。中日若松駿太投手(20)が14日、名古屋市大病院を慰問し、小児病棟に入院する子どもたちとふれあった。今季10勝を挙げた右腕は「今日ここに来たからには来年、見てくれる人もいると思う。僕が投げた試合は勝っている姿を見せたい」と、登板試合でのチームの全勝を誓った。

 子ども好きという若松は終始、ニコニコしながら交流を深めた。赤ちゃんをだっこしようとすると泣かれるハプニングも。慰問は初めての経験で「頑張って乗り越えていこうとしているんだなと感じた。僕たちが力をもらっているようじゃいけない。あげないと。負けちゃダメだなと思います」と刺激を受けた。応援してくれる子どもたちのために、勝利を贈る。

 子どもたちからサインを求められるとスラスラとペンを走らせた。横に添えた「61」には強いこだわりを持つ。「渡辺さんに選んでいただいたので、簡単には手放せない。変えられないですね」。12年ドラフト会議で中日入団。昨年2月に他界したスカウトの渡辺麿史さん(享年57)がプロの世界に導いてくれた。今年以上の活躍をし続けていけば、若い番号を提示されるかもしれない。しかし、恩師が与えてくれた背番号を生涯貫くつもりだ。「サインはそのまま持っててくれていいですよ」。4年目を迎える来季、チームの貯金を生み出す活躍で「61」を知らしめる。【宮崎えり子】