【台中(台湾)17日=久保賢吾】巨人の若き大砲が、野手部門の最優秀選手(MVP)候補に浮上した。台湾ウインターリーグに参加中の岡本和真内野手(19)が、4試合連続のマルチ安打を放ち、覚醒を印象づけた。日本の「4番三塁」で韓国野球委員会(KBO)戦にスタメン出場。「内容は良くなかった」と自己採点は厳しめだったが、3、4打席目に左前打を放った。

 若干19歳にして、実りの秋を迎える。10月のフェニックスリーグでは、打率4割4分4厘の高打率。今大会も、打率4割超えを目標に掲げ、54打数22安打、打率はチームトップの4割7厘。打点はリーグトップの16をマークする。リーグ関係者によれば、最優秀選手の選考基準は順位も加味され、首位を走る日本の大砲が最有力候補に挙がる。

 好調の秘密は、新フォームだった。リーグ戦序盤は「下の(成績の)方から数えた方が早かった」と不調に陥ったが、ソフトバンク上林らと打撃論を交わし、「高校の時は、『もう少し上だったよね』という話になって」とグリップの位置を上げ、バットの出方をスムーズにさせた。「試行錯誤ですが、この形がしっくりきてます」と豪快なスイングが復活した。

 絶好調のまま、今日18日からのプレーオフに突入する。「やるからには、優勝したいです。タイトルも…、ひそかに狙って」とはにかんだ。約1カ月にも及ぶ遠征にも、開口一番「楽しいっす」と即答した。海の向こうから、高橋監督に結果で猛アピールする。