169・3キロだ! ヤクルト雄平外野手(31)が23日、球界最速のスイングスピードをたたき出した。神宮室内でミズノの最新鋭機器を用いて計測。これまで最速だった日本ハム中田の166・9キロを上回った。「正直、中田翔は抜きたいと思っていた。負けず嫌い精神です」と胸を張った。

 ミズノ社が計測した16人のプロでは、楽天銀次の153・1キロが中田に次ぐ速さ。それ以外ではテレビ番組でソフトバンク柳田が157・7キロを記録。雄平がいかに速いかが分かる。

 乱雑に振り回した結果ではない。170キロ以上のスイングも3回計測された。そのうち1回は175キロというとんでもない数字。「でも、マン振りで形が崩れていた。いい形で振れた時の数値を採用してもらった。169キロってことは大谷君の球より速いってことですよ」と笑わせた。

 計測結果から、来季使用するバットを2種類に絞った。DeNA梶谷モデルとロッテ鈴木モデルを元にしたオリジナル。「打者になってからバットを変えるのは初めて。いい理由付けになる」と科学の力を味方につけた理由を説明した。

 これまではヤクルト時代の青木モデルのバットだった。同室内で練習していたため「青木さんから卒業します」と本人に向かって宣言した。「バットのせいじゃないだろ」と返されてしまったが、次に進む準備はできた。14年の3割1分6厘、23本塁打を超えるキャリアハイに向けて始動した。【竹内智信】

 ◆スイングトレーサー ミズノ社が開発したスイングを3Dで分析する機器。バットのグリップエンドに装着して計測し、パソコンでデータ管理する。項目は7つに分かれ、この日の雄平の数値を例にするとスイング時間0秒132、ヘッドスピード169・3キロ、回転半径プラス0・15メートル、ヘッド角度マイナス18・6度、インパクト加速度215メートル、スイング軌道9・6度、ローリング毎秒0・92回転などと細かく表示される。本体価格2万9800円(税別)。