返り咲きだ! 阪神藤浪晋太郎投手(21)が「1面王」を奪回した。15年の日刊スポーツ(大阪最終版)の1面メーン見出しとなった回数で、若きエースがルーキーイヤーの13年以来、2年ぶり2度目のトップに輝いた。プロ3年目の今季、初タイトルとなる最多奪三振(221個)を獲得した右腕に、もう1冠加わった。

 221の奪三振でタイトルをもぎ取った藤浪は、日刊スポーツ1面登場回数も着々と積み重ねていた。新人年13年は49度で1位だったが、昨年はゴメスに1位を譲って2位だった。2年ぶり2度目の“戴冠”。完全に虎の主役となった証しでもある。

 今年初の1面登場は、1月15日付だった。広島のエース前田との合同自主トレを公開。投げ合い全勝を宣言されると「エースから金星を挙げたい」と言い返した。「マエケンにマケン」と見出しが躍った。

 エース対決といえば、4月25日に広島黒田と初の投げ合いが実現。打席に立った大先輩の内角を攻め、怒った黒田がマウンドへ迫った。一触即発の空気の中、帽子を取って謝る写真が翌26日付の1面となった。

 奪三振に加え、7完投も12球団トップだった。5月20日巨人戦ではプロ初完封を毎回奪三振で彩った。巨人戦で毎回Kを取った投手は、95年広島チェコ以来。翌21日付の「ちょっとしびれました」というセリフに、ファンもしびれた。

 金本新監督を迎え、選手生活も新たな局面を迎える。高知・安芸市での秋季キャンプでは、11月3日付で金本監督とのツーショットも実現。トレーニング室で直々に指導も受け「スクワットの形とか、すごい知識をもらった」と興奮を隠しきれずに語った。

 4年目の来季は、初の開幕投手への期待がかかる。2桁勝利を達成すれば、ドラフト導入後では江夏豊(阪神)以来46年ぶり5人目の高卒1年目から4年連続となる。さらに進化し快挙を達成。胴上げの輪の中で頭ひとつ突き抜けた、笑顔の藤浪が1面を飾るはずだ。