目指せ矢野超え! 阪神ドラフト2位の明大・坂本誠志郎捕手(22)が5日、履正社茨木グラウンドで自主トレを公開した。練習を見守った恩師の履正社・岡田龍生監督(54)は、桜宮コーチ時代に指導した矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(47)を超える潜在能力があると太鼓判。矢野コーチに指導される1軍キャンプ発進を目指し、スタートを切った。

 ただ前だけを見据えていた。ぶ厚い雲が覆う中でも、坂本の頭の中にははっきりと、阪神の黄金期を支えた「扇の要」を超える野望が描かれていた。

 坂本 早く高いレベルで自分がどれぐらいの位置にいるのか判断したい。沖縄に行って1軍の環境でやった方が分かることもたくさんあると思う。そっちで気付いたことの方がより自分のためになると思うので。

 目指すは今季から新たに作戦兼バッテリーコーチに就任した矢野燿大超えだ。03、05年と2度のリーグ優勝に導いた球界を代表する名捕手を、坂本はかねて目標に挙げてきた。今はまだ雲の上の存在だが、そんな坂本の目標実現に太鼓判を押す人物がいた。履正社時代の恩師・岡田監督だ。

 これも何かの縁なのか、くしくも岡田監督が桜宮でコーチをしていたころ、矢野コーチを2年生から卒業まで指導していたというのだ。高校野球界の名将は、2人の教え子を重ね合わせながらこう話す。

 岡田監督 矢野も賢かった。キャプテンもしていろんなことを幅広くやっている選手でした。(坂本も)考える力を持っていますよね。何か根拠があっての考え方が出来る子なのでこれから楽しみだなと思う。(リードや観察眼は)矢野とも同等レベルじゃないですかね。そう思います僕は。

 履正社、明大と各年代で活躍してきた坂本なら、矢野超えも十分に実現可能な目標だという。また「キャッチャーというポジションは経験が大事なポジションなんで。経験したことを坂本に教えてあげて欲しいですね。これからお願いしようかな」と矢野コーチには坂本へのバックアップを依頼する構えだ。

 坂本 自分が出来ることをしっかり見つめ直してやるべきことをやっていきたい。

 まずは、ひたむきに1歩ずつ。大学NO・1捕手の肩書を引っさげ、坂本がレジェンド超えへの階段を駆け上がる。【梶本長之】

 ◆坂本誠志郎(さかもと・せいしろう)1993年(平5)11月10日、兵庫県生まれ。養父小1年から養父カープで野球を始め、3年から捕手。履正社では1年秋からレギュラーで2年夏に甲子園出場、3年春はセンバツベスト4。明大では主将を務め、2年春と秋に東京6大学のベストナイン。2年時から大学日本代表に選出。昨夏のユニバーシアードでも大学日本代表の主将で金メダル獲得に貢献。176センチ、78キロ。右投げ右打ち。