昨秋のプレミア12で3位に終わった小久保ジャパンが、投手コーチ2人体制で再出発を切る。NPBエンタープライズは28日、3月5、6日に行う侍ジャパン強化試合「日本対台湾」の投手コーチに、元横浜(現DeNA)監督の権藤博氏(77)、昨季限りで現役引退した前楽天の斎藤隆氏(45)が就任すると発表した。プレミア12で投手コーチを務めたテクニカルディレクターの鹿取義隆氏(58)は、コーチから外れる。

 プレミア12では、準決勝の韓国戦で3点リードの9回に4失点し、逆転負けした。7回まで1安打無失点に抑えた日本ハム大谷に代え、楽天則本、松井裕、日本ハム増井に託したが、継投は裏目に出た。起用法を含めた投手陣の強化は、来春のWBCで世界一を目指す課題に挙がっていた。

 権藤氏は4球団で主に投手コーチを務めるなど経験豊富で、98年には監督就任1年目で横浜を38年ぶりの日本一へ導いた。「私は戦わせるために、選手の背中を押すだけです。いかにモチベーションを上げ、順番を間違わないようにするか。次は少し先発、抑えに、中継ぎ職を加えたいと思っている。あくまで狙うは世界一です」と話した。

 斎藤氏は、日米通算で112勝139セーブを挙げた。大リーグのドジャースではクローザーを務めるなど、救援陣の心得も熟知する。「日米での経験が、微力ながら、チームの力になれるように選手のサポートに全力を尽くしたいと思います」とコメントした。

 日本代表は、2月中旬に発表される。プレミア12に続き、打撃コーチは稲葉篤紀氏(43)、内野守備・走塁コーチは仁志敏久氏(44)、外野守備・走塁コーチは大西崇之氏(44)が務める。

 ◆プレミア12準決勝での継投失敗 160キロ超えを連発し韓国打線を7回無失点に封じていた先発大谷を85球で交代。続く8回を無失点に抑えた2番手則本が3点リードの9回も続投したが韓国打線につかまった。松井、増井も勢いを止められず、一挙4点を奪われて逆転負けした。抑えやセットアッパーといった役割分担を明確に決めない日替わり起用が裏目に出た形となった。