阪神掛布雅之2軍監督(60)が快音を放つゴールデンルーキーに、トリプルスリー達成の可能性を見た。別メニューのため安芸ドーム内でマシン打撃をするドラフト1位高山俊外野手(22=明大)を連日指導。打率3割、30本塁打、30盗塁をクリアする可能性を口にした。

 「(トリプルスリーを)出来る可能性があるよね。走るスピードもあるし、甲子園で左で30発打つのはきついと思うけど、それくらいの気持ちでやって欲しいし、それだけのバッティングの形を見せてくれている。そういう可能性がある選手だと思う」

 トリプルスリー。昨年はソフトバンク柳田、ヤクルト山田が同時達成したが、プロ野球の歴史を振り返っても10人しかクリアしていない大記録だ。マシンを打ち込む背番号9を見て、指揮官も夢を語らずにはいられなかった。

 「トリプルスリーいっちゃうよ。1チームに3人トリプルスリーはいたか? 横田、高山、江越だな」

 夢に描くはトリプル・トリプルスリー。達成すればもちろん史上初。1軍キャンプで奮闘する愛弟子の横田、江越との共演。そう夢を描きたくなるような打撃を高山が見せてくれた。2日は両手人さし指を浮かしてバットを握っていた高山に、全ての指で包むよう指導した。それでも「明日駄目ならまた戻せばいい。その対応は彼には出来ると思うんで」と強要はしない。二人三脚で試行錯誤し階段を上がっていく。【梶本長之】