KKコンビで知られる桑田真澄氏(47=野球評論家)が、かつての盟友への複雑な思いを吐露し、再起へのエールを送った。4日、古巣巨人の宮崎春季キャンプを訪問し、逮捕された清原和博容疑者(48)について語った。数年間にわたり、忠告を続けたが聞き入れられず、3年前に“決別”したことも明かした。一方で今後に対し「人生の逆転満塁ホームランを打ってほしい」と再起への道を歩むことも希望した。

 人生の節目はいつもそばにいた。PL学園の全国制覇、明暗分かれたドラフト、念願の同じユニホームをまとった巨人時代…。だが桑田氏は今、警察に勾留されている清原容疑者に間接的にしか言葉を送れない。

 桑田氏 引退後は「野球にこれだけの幸せを頂いた恩返しを」と話していた。でも3年ぐらい前から連絡を取らなくなった。僕が言い続けた方が良かったという思いがある。スポーツマンである以上、暴力とドラッグは一番遠い存在であるべき。彼にも話した。そういう意味でも残念です。

 現役時より引退後の方が密に連絡を取っていた。詳細は伏せたが「心痛いウワサ」を何度も耳にし、4~5年前から忠告を続けたという。「小じゅうとのように言い続けた。それが言えるのが僕だと。ただ小言を言われるのに嫌気が差したんでしょうね。『一切、関わらないでくれ』と言われた。何度も確認したけど、お互い大人ですから。『お前が言うならそうしよう』と」。3年前にKKコンビは“解散”した。

 2年前に薬物使用疑惑の週刊誌報道も出たが、昨年ごろからテレビ出演も増えた。「安心して頑張っているなと。1月にPLのOB会があり、同級生も『また会いたい』と話していた矢先だった」。杞憂(きゆう)と信じていたが、幻だった。

 だが見捨てることはできない。「今言えるのは、野球のピンチに代打とリリーフはいるけど、自分の人生に代打とリリーフはいない。現役時代に数々のホームランを打ってきた。自分の人生でもきれいな放物線を、逆転満塁ホームランを打ってほしい」。球界で再び“打席”に立つことは限りなく厳しい。人生の打席へ向かうために背中を押すのか-。「彼が頑張ることが大前提になるが、みんなで彼を支えることも必要」と締めた。【広重竜太郎】