巨人はドラ2も「打って、走って」と生きが良い。重信慎之介外野手(22=早大)が12日、宮崎春季キャンプ初の紅白戦に白組の「2番・左翼」で先発出場。一塁強襲の内野安打、中前、左前と広角に打ち分けて3安打を放った。課題とする打撃で結果を残し「前に突っ込まないように気をつけた。ファウルで粘って安打につなげるいやらしさを出せた。合格点をあげてもいいと思う」と喜んだ。

 バット以上に沸かせたのが、自慢のスピードだった。7回無死一塁。3番亀井の打球が右中間に飛ぶと、50メートル走5秒7の快足を飛ばして一塁から一気にホームインした。「あの当たりで本塁にかえってきたり、塁にいるだけでもバッテリーに嫌がられるのが持ち味」と納得の表情。減速しないベースランニングで、高橋監督を「足が抜群に良かったね」と驚かせた。

 プロでも通用する走り方を研究してきた。早大3年時、練習前に早大競走部に通った。短距離コーチの指導を仰ぎ、「疲れにくい走り方」を学んだ。「地面を後ろに蹴らず、踏んで反発力を利用するんです」。後ろに蹴り上げるより使用する筋肉が少ないため、故障も軽減されるという。「プロは1年間試合がある。長いので余計な力を使わずに速く走れるのが大事」。初キャンプの疲労を感じさせないスピード感は、研究のたまものだった。

 紅白戦を視察したヤクルトの片岡スコアラーは「足は脅威。巨人で一番速いんじゃないか。打撃は長打はないが(マリナーズ)青木と似た感じ」と、現役メジャー選手と重ねた。長野、立岡、亀井らがいる外野は激戦区。重信は「ここで満足してはいられない。先輩方はすごいですけど、持ち味を出して頑張りたい」と引き締めた。【浜本卓也】