収穫と課題のデビュー戦だ。ロッテのドラフト1位、平沢大河内野手(18=仙台育英)が13日、プロ初の対外試合となる台湾・ラミゴ戦に「8番遊撃」でフル出場。打撃は3打数無安打に終わったが、守りでは7度の守備機会を無失策で乗り切った。

 「結構、緊張しました」。黒土がついたユニホームで正直に振り返った。心の張りをほぐしたのは自らの好守だ。2回無死一塁。5番打者の強烈な引っ張りが三遊間を襲う。素早く反応し、逆シングルで捕った。体勢は崩れかけたが、二塁カバーの鈴木に送球。遊ゴロに仕留めた。「最初の打球でアウトを取れたのは良かったです。守備は良かったと思います」。5回には、鈴木とのコンビで遊ゴロ併殺を完成した。

 入団前から守備は評価されていた。力を証明したが、キャンプでの課題は「低く捕る」と「動く」。積極的に動く中で、プロの守りのイロハを覚えようとしている。4回には、二塁後方の飛球を追いかけ、鈴木とぶつかりそうになりながら捕球した。「風がレフトに吹いていたので。行きすぎました」と反省。試合中、すぐに鈴木と確認した。次に生かす姿勢だった。

 打撃は空振り三振、中飛、投ゴロ。いずれも走者を置いた場面で倒れた。特に7回は無死満塁の絶好機。変化球2球で追い込まれ3球目。「変化球で来ると思ったらインに直球。力負けです」と認めるドン詰まりだった。高校までと違うプロの攻めを味わったが「この経験を生かしてやっていきたい」と明るく締めた。伊東監督は「打つ、打たないは別にして落ち着いていた。守りはしっかりできていた」と評価し今日14日(ラミゴ戦)もスタメン起用を示唆。結果はどうあれ、朗らかで前向き。平沢は伸びる資質を持っている。【古川真弥】

<平沢の守備機会>

(1)1回無死一塁。二盗の試みに対し、二塁カバーに入り捕手田村の送球を捕ってアウト。走者の動きに素早く反応

(2)2回無死一塁。三遊間の強いゴロを逆シングルで捕球。二塁に送ってアウト

(3)4回先頭。二塁後方の飛球を捕球。追いすぎて、鈴木とぶつかりそうになる

(4)5回先頭。遊ゴロを無難処理

(5)5回1死一塁。遊ゴロを無難に処理。遊-二-一の併殺完成

(6)8回先頭。遊ゴロを無難処理

(7)9回1死二、三塁。遊ゴロを処理。前進守備ではないため、一塁送球の間に1点返される