広島鈴木誠也外野手(21)が2月29日、荷物整理のためマツダスタジアムを訪れた。

 22日の練習試合KIA戦(コザしんきんスタジアム)で負傷し、その後「右太もも筋挫傷」と診断された。現在はリハビリ中でうずうずしている。オープン戦で復帰して結果を残し、開幕も間に合わせてみせる。鈴木の表情は明るかった。離脱の原因となったケガからちょうど1週間。ロッカールームの整理のため、マツダスタジアムを訪れていた。1日からは大野練習場で汗を流すことになる。離脱の悔しさは、天性の明るさに隠れる。今はただ、復帰を目指して前向きにリハビリに取り組んでいる。開幕も諦めていない。

 「本当に軽度で、普通に歩けています。今はまだ走れないけど、スパイクダッシュまで出来るようになれば、トントンといけると思っています。(時期的に)開幕には間に合います。それまでにオープン戦とかで僕自身が結果を残せるか、だけだと思います」

 2月22日の練習試合KIA戦(コザしんきんスタジアム)で二ゴロを打って走る際に痛みを訴えた。沖縄での診断で「右太もも筋挫傷」で加療2週間が必要とされた。それから1週間。治療とリハビリを重ね「こういう動きも大丈夫だし、足も前に90度上がる」と前かがみになったり足を実際に上げながら説明した。

 手に残る感触を失うまいと汗を流す。自主トレではソフトバンク内川の打撃論を吸収。キャンプ中旬は苦悩が続いたが「方向性を考えて、結果に結びつけることが少しずつ出来てきたところだった」。凡退も納得が多く、首脳陣の評価も上々だった。現在行う軽いティー打撃のなかでも「忘れないように」と心がける。

 「チームのニュースを見て、寂しいし歯がゆい。動きたいのに、体を動かせないし。でもやってしまったことは戻らない。ぶり返さないように慎重にやっていきます」

 最後は少しだけ悔しさを見せた。チームはキャンプで対外試合7連勝。右翼レギュラーの最有力候補だった鈴木が離脱した後も、松山や野間、土生、天谷らが結果を出している。だが、誠也のにっこり笑顔がグラウンドで見られる日も遠くはなさそう。そのときはため込んだストレスを、類い希な才能で一気に爆発させる。