16年の獅子は「空中戦&地上戦」で攻める。西武は1日、西武プリンスドームの新人工芝をお披露目した。ミズノと積水樹脂が共同開発した「MS Craft Baseball Turf」で、プロ野球の本拠地では初採用。天然芝に近い性能を誇る。初練習した選手からは「走りやすい」の声が続出した。長距離砲が居並ぶが、昨季盗塁数66個はリーグワースト。地の利を生かし、新たな武器を加える。

 早春の西武プリンスドームに「新緑」が映えた。08年シーズン前に張り替えて以来の新人工芝は最先端の優れモノ。天然芝に近いカールした形状が一目瞭然の特徴で、耐久性とクッション性を両立させた。

 攻撃にさらなる厚みを加える足がかりにする。初練習した選手たちは、足の裏でヒシヒシ感じた。「盗塁、できるかな?」と栗山。「去年までは足を置く感じだったけど、スパイクの歯が、しっかり入る感じ」と秋山。「走りやすいですね」と外崎。「めっちゃ、走りやすいっす!」と水口。第一印象の好感触を生かさない手はない。おはこの空中戦に地上戦を加える。

 新任の橋上作戦コーチが「まず守備。12球団で一番、ゴロの転がりが速かった。慣れること」と前置きしてから強調した。

 橋上コーチ 走る上では明らかにプラス。しっかり地面をかめる。盗塁は意識で変われる。秋山はあれだけヒットを打てるし、足も非常に速い。(昨季の)17盗塁より、もっと走れるはず。ウチには足の速い選手がたくさんいる。金子侑、外崎、水口に斉藤。故障者もいるが、1人でもレギュラーに食い込んでくれれば、攻撃力は確実に上がる。

 浅村、中村、メヒア。ガツンと仕留める役者がそろっている。前後でかき回し、好機を広げる青写真だ。金子侑は腰に不安があり開幕黄信号だが、深刻な状況ではない。昨季4位。そんな戦力じゃない。昨季66個からどれだけ盗塁を伸ばし、波状攻撃で順位を伸ばすか。【宮下敬至】