若鷹軍団よ、それでも勝ちまくれ! ソフトバンクは14日に都内の本社で激励会を開いた。孫正義オーナー(58)や工藤監督、関東遠征メンバーらが出席。同社の社員約500人から熱い声援をもらった。「V10」を目標に掲げる孫オーナーは「可能な限り(連覇を)伸ばしてほしい」と2年連続日本一に満足することなく、常勝を求めた。

 過酷な競争社会を勝ち抜いてきたトップの言葉には、重みがあった。激励会で孫オーナーは、笑みを絶やさなかった。柔和な表情の中にも、勝利への渇望を隠さなかった。「トリプルスリーも出て、チーム全体で最高の結果を出せた。可能な限り、(連覇を)伸ばしてほしい。勝ち負けにこだわってはいけないが、それでも、やっぱりこだわりたい。記録は伸ばせば、伸ばすほどいいと思う」。V10という壮大な目標に向かって、歩みを止めることはない。さらなる勝利を求めて、ナインにハッパをかけた。

 無敗ロードを走る工藤ホークスが、情熱を駆り立てる。激励会の冒頭。チームを従えて、孫オーナーは壇上でマイクを握った。「うれしいですね。日本一を2回も続けて取りました。まだ開幕していませんが、オープン戦も負け知らず。すごいですね。今年も間違いなく、優勝!」。約500人の社員も熱狂的な声援を送った。もちろん、険しい道のりであることは理解している。「実行するのは大変。ケガもあるし、時の運もある。(チームには)頭が下がるばかり。せめて我々はインフラを用意し、後方支援態勢を取る。一番大事なのは、心の底から応援すること」。言葉通りに、和田の獲得で投手力を向上。筑後市には最新の設備を誇るファーム新施設を建設した。すべては常勝のためだ。

 工藤監督もオーナーの思いを受け止めた。1年前の激励会では投手王国の形成を要望された。整備は着々と進み、今季の対外試合14戦無敗は投手力によるものが大きい。オープン戦のチーム防御率は驚異の0・89だ。「勝てば勝つほどチームの伝統になり、強いチームが作られる。成績を見てもらって分かるように、投手ががんばっている。投手王国ができたんじゃないか、と思うところがあるが、シーズンを通してやらないといけない」。自らの使命である投手力向上に自信を深めつつ、開幕に向けて、気を引き締めた。オーナー、そして指揮官はともに飽くなき勝利への欲求がある。目指すゴールは1つ。3年連続日本一へ、結束を固めた。【田口真一郎】