巨人で選手が自チームの勝敗に絡んで金銭授受を行っていたことが判明した問題に絡み、阪神と西武でも選手間の金銭のやりとりがあったことが15日、分かった。チームが勝った場合、試合前の円陣で「声出し」した選手が、他の選手から「祝儀」を受け取るシステム。野球賭博とは違い、敗退行為につながらないとして、NPB(日本野球機構)は野球協約違反には該当しないとしているが、熊崎コミッショナーは賭博問題を引き起こす要因の1つになったと捉え、徹底解明する決意を表明した。

 巨人に加え、阪神でも「円陣声出し」による金銭授受が発覚した事態を受けて、セ・リーグは15日、開幕前の17日に臨時理事会を開き、今後の対応を協議することを決めた。さらに西武でも発覚。プロ野球の熊崎勝彦コミッショナー(74)は、前日14日にも野球協約違反には当たらない見解を示していたが、「協約違反に該当する行為であろうと、なかろうと、野球界の健全な発展を願って、すべてを出し切るという覚悟、固い決意で臨んでいる。そのための指揮を執る」と言った。「円陣声出し」などは「野球賭博問題を引き起こす要因、背景の1つになると捉えている」と説明した。

 1月29日には、野球に対する金銭授受を一切禁じるコミッショナー通達を出した。「コミッショナー通達以降は、かような行為を行うようなことはないものと確信いたしておりますが、それ以前においては同様の行為が行われている可能性を否定できず、現在、全球団において鋭意、再度確認調査中であります」と、徹底した調査を行う考えを示した。NPBは、全球団に対して「円陣声出し」の調査を要請し、開幕前までに回答を求める方針だ。