金本阪神が16年オープン戦で「優勝」を飾った。オリックスとの最終戦を2-2で引き分け、11年以来5年ぶりの12球団トップ。特に直近3年の優勝チームはリーグ優勝しており、最高の吉兆だ。金本知憲監督(47)はドラフト1位高山俊外野手(22=明大)と3年目横田慎太郎外野手(20)が1、2番コンビを組むオーダーに手応えを得て、シーズン開幕を迎える。

 最終戦でようやくチーム1号となる梅野のソロこそ出たが、この日も派手さはない。攻撃は8安打2得点。7投手のリレーでドローに持ち込んだ。7勝3敗5分けで勝率7割は12球団トップ。13年の巨人と14、15年のソフトバンクとここ3年は、オープン戦「優勝」球団がその年のリーグ戦を制している。就任1年目の金本監督も、吉兆を喜んだ。

 「野手で言えば、高山と横田は想像以上。あの2人が先陣を切ってやってくれた。頑張ってくれたからいい印象がある」

 オープン戦「制覇」の中心には、2人の若虎がいた。新人高山と高卒3年目横田の1、2番コンビ。1軍実績のない2人は、最終オープン戦でも躍動した。

 同点とされた直後の6回。3打席目の1番高山が左前打。オリックス西のチェンジアップにタイミングを外されながら、バットを合わせた。これでオープン戦で先発した全13試合で安打。1回にも左前打を放っている2番横田が二塁打で続いた。オープン戦で12球団最多の22安打目。無死二、三塁の好機は、勝ち越し得点につながった。

 高山が「僕も横田も、ただただ必死なだけなので。そういう必死さがチームにいい意味で影響が出ているのなら、それはすごくうれしいことです」とかみしめれば、横田も「良かったです。高山さんが出たので僕もヒットでつなげられて良かったです」と笑顔で話した。25日の開幕戦も1番、2番でオーダーに並ぶことが決定。無限の可能性を秘めた高山、横田コンビが、今度は11年ぶりのリーグ制覇へけん引していく。【梶本長之】