日本野球機構（ＮＰＢ）の調査委員会は２２日、都内で野球賭博に関与した巨人高木京介投手（２６）の処分について会見を行い、１年間の失格処分が相当とする見解を示した。

　巨人に対しては制裁金５００万円。熊崎勝彦コミッショナー（７４）が調査委の処分案を受けて裁定を下す。

　昨年、野球賭博に関与していたことが明らかになった巨人の福田聡志元投手（３２）、笠原将生元投手（２５）、松本竜也元投手（２２）の３人は無期失格処分を受けている。

　調査委員会の大鶴基成委員長（６１）は「高木選手の有害行為は、笠原選手を介してＢ氏らとともに賭けをしていたもので、多くのプロ野球ファンを裏切り、プロ野球界にぬぐいがたい汚点を与えたもので、誠に重いものがあると考えている。このような観点に立って、無期失格処分を科すかが相当かどうかについて検討したわけです。その観点で見ますと、２つの件を指摘できます」と前置きし、１年間の失格処分とした理由を説明した。

　「１つは１０日間ほどの間に３、４回に渡って８～９試合かけただけで、すぐにプロ野球賭博を辞めている。もう１つは、笠原選手からその後も平成２６年及び、平成２７年にプロ野球賭博や高校野球賭博、裏カジノを数回にわたって勧められたけど、これを断って野球賭博などをしてこなかった。この２つの点について、笠原選手、福田選手、松本選手の野球賭博への関わり方と比較していったわけであります。笠原選手は積極的に野球賭博に関わっている。福田選手につきましても、プロ野球賭博だけではなく、Ａというものが野球賭博常習者と知りながら、Ａらとともに賭けマージャンやバカラ賭博をするなどして交際していた。さらに高校野球やメジャーリーグの試合にも賭けていた。したがって福田選手も積極的に野球賭博に関わっていたと認められる。松本選手は平成２６年にプロ野球十数試合に関して、笠原選手を介して賭けていた。さらに平成２７年に高校野球十数試合に関しても、福田選手を介して賭けている。２年にわたって積極的に野球賭博に関わっている。これに対して、１０日間でプロ野球賭博を辞めた高木選手の野球賭博に関する関わり方は、相当に浅いものがあるという風に認められる。さらに加えますと、高木選手は自ら野球賭博常習者との関わりを毅然（きぜん）として絶つことを決意して、それを絶って、自己の行為を真摯（しんし）に反省している。そういったことを総合的に判断して、１年間の失格処分が相当であるという判断をしました」と話した。

　高木京が昨年１０月の聴取では野球賭博を認めず、今年に入って認めたことについてのマイナス部分は「もちろんそれも考慮はしてますが、考慮した上で総合的に判断して、１年間の失格処分が相当であると判断しました」と説明した。