巨人の野球賭博問題をきっかけに、自チームの公式戦勝敗に絡んで選手間で現金をやりとりしていたことなどが相次いで判明したことを受け、12球団代表者会議が23日、都内で開かれ、「12球団共同声明」を発表した。声明文には、有害行為の再発防止のために球界浄化に全力で取り組み、選手相互間の金銭やりとりは、12球団で結束して禁止することなどを明記。明日25日に迫った開幕に向けて、ひとつの区切りを付けた。

 12球団の首脳が集まった4時間を超える代表者会議後、セ・リーグ理事長の巨人山岸均球団取締役、パ・リーグ理事長の西武関洋二球団専務が並んで会見に臨んだ。関球団専務は「最も重要な部分として、12球団の共同声明について話し合いました」と説明。すぐに「12球団共同声明」を読み上げた。

 セントラル・リーグとパシフィック・リーグの12球団は、このたびの読売巨人軍における野球賭博問題を重く受け止め、有害行為を再び起こさないよう、球界の浄化に全力で取り組み、ファンの皆様の信頼回復に最善の努力を尽くします。

 また、高校野球のクジ引き、試合前の円陣をめぐるご祝儀などの選手相互間の金銭のやりとりに関しても、すでに禁止したところではありますが、12球団が結束して一層の徹底を図ることと致します。

 B5判用紙に記された声明文の下には、全球団の球団名が連記されている。すぐにNPBのホームページでも全文を公開。関球団専務は「セ、パ12球団におきまして、(選手間の金銭授受を禁じた)1月29日のコミッショナー通達を重く受け止め、その上で、開幕を迎えたいと考えています」と経緯を説明した。

 巨人の4選手による野球賭博関与が引き金になった今回の騒動。野球協約に違反する野球賭博と、野球協約には違反しない円陣声出しなどの金銭授受が混在する中、前日22日には巨人、阪神、ヤクルト、西武、ソフトバンクが新たな金銭に関する事実を公表。

 開幕を2日後に控えたこの日、会議では野球賭博問題に関する新たな事実の報告はなかった。関球団専務は「基本的には一定の区切りがついたのではないか」とした上で、「NPBの調査委員会による調査は引き続き続いている。絶え間なく教育、指導を徹底していくことで、我々としては、常にアンテナを高くしていかないといけないと思ってます」と続けた。野球賭博問題の全容解明は、まだ道半ば。その事実にしっかりと向き合いながら、25日の開幕を迎える。