プロ野球の野球賭博問題を調べている日本野球機構(NPB)調査委員会が、野球賭博に関与した選手や関係者を対象に期間限定で「自主申告」を促す特例措置をプロ野球の実行委員会に提案することが4日、NPBへの取材で分かった。

 関与を申告して無期失格処分を受けた場合、1年後に真摯(しんし)な反省が見られれば1年間の失格に変更され、その時点で処分が解除される可能性があることを示す。全容解明が難航する中、当事者からの申告を促すのが狙い。特例措置は1カ月程度の限定的な期間になる見通しで、4日午後のプロ野球実行委で承認を得て5日にも施行される。

 野球協約では八百長行為を禁じる177条で永久失格、野球賭博や反社会的勢力との交際を禁じる180条で無期と1年間の失格処分が定められている。今回の特例は180条の無期失格を対象にしたもので、八百長による永久失格には適用されない。NPBの井原敦事務局長は「野球協約との整合性を維持しながら、情状を斟酌(しんしゃく)し、申告するべきか思い悩んでいる選手を救済するため」と説明した。

 野球賭博問題では昨年、賭博を行っていたことが発覚した元巨人選手3人が無期失格処分を受けた。ことし3月に新たに高木京介投手の関与が判明したが、回数が少ないことや調査に協力的だったことを理由に1年間の失格処分となった。

 ◆野球賭博問題 昨年10月に巨人の福田聡志(32)、笠原将生(25)、松本竜也(22)の3選手が野球賭博をしていたことが発覚。同11月に3選手はコミッショナーから無期失格処分を受け、契約を解除された。3月には巨人の高木京介投手(26)の関与が新たに判明し、1年間の失格処分を受け、契約を解除された。野球賭博を調査する中で、自チームの勝敗に絡んだ選手間の現金のやりとりなども明らかになり、開幕を前に12球団は代表者会議を開き「球界の浄化に全力で取り組む」などとする声明を発表した。