楽天対オリックス モレルは1回表に先制本塁打を放ち(写真上)、3回表に2打席連続本塁打を放つも(写真中)、3回裏激しい雨で中断となりベンチに戻る(写真下)
楽天対オリックス モレルは1回表に先制本塁打を放ち(写真上)、3回表に2打席連続本塁打を放つも(写真中)、3回裏激しい雨で中断となりベンチに戻る(写真下)

 あぁ“雨”らめし…。楽天-オリックス5回戦(コボスタ宮城)は3回裏の楽天の攻撃途中で降雨ノーゲームとなった。不運だったのがオリックスの4番ブレント・モレル内野手だ。この日は29歳の誕生日。自らを祝うようにフェンスオーバーを連発したがゲームが成立せず、来日1、2号は「幻」になった。

 1回は2死二塁。右翼席のファンからのバースデーソングが鳴り終わると、バックスクリーン左へ先制2ランを突き刺した。逆転されて迎えた3回は糸井のソロに続いた。左中間席への2打席連続アーチだ。冷静な性格で普段はめったに表情を変えないが、ベンチに戻ると笑顔でボグセビックと喜び合った。

 だがその直後、降り続く雨が強くなり中断。31分後にノーゲームが決定した。再開を願っていたというモレルは「残念だけど、何とも言えない。答えようがないよ。自分ではどうしようもないからね」と苦笑いで振り返るしかなかった。

 開幕から全試合4番を任されている。打率は2割台前半に低迷。中距離タイプとはいえ、長打もこの日まで二塁打2本しか打っていない。成績には残らないが、待望のアーチはチームにとっても好材料と言えそうだ。

 「いいスイングをしていた。気分は悪くないはず」と福良監督。好調糸井に続く中軸のつながりが打線の悩みだった。モレルには気の毒だが、負けていた試合がノーゲームになったことを考えれば、決して残念なことばかりではない。【大池和幸】

 ▼降雨ノーゲームとなった楽天-オリックス戦で、モレル2本、糸井、ウィーラーの計4本塁打が消滅した。ノーゲームのため1試合3本塁打以上がフイになるのは珍しく、最近では14年7月6日広島-ヤクルト戦(マツダスタジアム)の川端(ヤクルト)丸、エルドレッド(以上広島)以来。85年9月19日には西武の石毛、大田、広橋がロッテ戦(秋田)の1回に1イニング3発を放ち、2回に中止になった例などがある。

 ◆大リーグでは 03年5月11日のカブス-カージナルス戦(リグリーフィールド)で両軍合計7本塁打が幻に消える珍事があった。瞬間風速18メートル以上の突風で、5回表の攻撃前に中止決定。カージナルスはプホルスの満塁弾、ティノ・マルティネスの1試合2発がフイになった。