静岡産大の鈴木彩隼投手(2年=浜北西出)が、完全試合を成し遂げた。常葉大浜松戦に先発登板し、三振9、内野ゴロ8、外野飛球10で、打者27人で投げきり、2-0の完封勝利に自ら花を添えた。中日にドラフト1位で入団したプロ3年目の鈴木翔太(20=聖隷クリストファー出)の弟が、その右腕で好記録を刻んだ。これで静岡産大の1勝1敗となった。

 計94球のパーフェクト投球だった。フルカウントになる場面もあったが、四死球も0で抑えた。好調のストレート、スライダーに加え、最近習得したというカットボールを駆使。落ちついた表情のまま、要所で三振を奪うなど圧巻の内容をマークした。試合後、淡々としていた態度の鈴木彩とは対照的に、高柳信英監督(63)は「7回が終わって(完全試合が)いけるかと思った。9回はドキドキしながら見守りました」と気持ちを吐露した。

 以前から鈴木翔太の弟として比較され、浜北西進学時には投手ではなく、内野手を希望したこともあるが、現在は目標とする兄を見据えて急成長を続ける。投手としての自覚もさらに強くなっており、高柳監督は「今年、すごく伸びている。今後が楽しみです」と期待を寄せていた。

 ◆鈴木彩隼(すずき・あやと)1996年(平8)7月10日、浜松市生まれ。右投げ右打ち。北浜北小1年の時、浜北スポーツジャイアンツで競技を開始。北浜東部中時代は浜松リトルシニアでプレー。浜北西に進学し、3年夏は県2回戦敗退。静岡産大では経営学部に在籍。家族は両親と兄。177センチ、65キロ。