阪神金本監督が激怒した。同点に追いつかれた9回1死満塁。藤井の勝ち越し犠飛で生還した杉山のスタートが早かったのではと猛抗議したが認められなかった。激しい口調で何やら叫ぶと、ボールボーイのいすを蹴ってベンチに戻った。試合後、「タッチアップしてないと思って」と説明したが、「それはどうでもいい」とすぐに矛先を鳥谷に切り替えた。

 「フライが捕れんようじゃ野球にならん。プロ野球じゃない。恥ずかしい。あり得ない」。直前の9回1死一塁の守りで、遠藤の遊撃後方へのフライを鳥谷が落球。これが逆転の引き金になってしまった。しばらくの沈黙後「高校生に笑われるよ。フライで2試合連続落とすなんてあり得ない」と、15日DeNA戦に続くポロリに、厳しい口調で言った。鳥谷にここまで激しく怒りをぶつけるのは初めてだ。

 2点リードの8回も、無死一塁でゴメスが正面に飛んだ大島の併殺コースのゴロをファンブル。オールセーフにしてしまった。その後平田の内野ゴロで1点差に迫られた。「主力がミスしたらダメよ。若い選手の積極的なミスはあれだけど。サイン違いがあったり…。野球にならん。使ってる俺が悪いんだけど、野球になりません。いいかな」。最後まで怒りは収まらず、今季最短の70秒で会見を切り上げた。チーム開幕の黒星以降、5割をキープしてきたが、ついに借金生活に入った。【松井清員】