首位の中京学院大が岐阜経済大に連勝して勝ち点を挙げ、2季ぶりの優勝を決めた。

 ドラフト上位候補の中京学院大・吉川尚輝内野手(4年=中京)が最終打席で右前打を放ち、全12試合で安打を達成。打率4割9分で全日程を終え、2度目の首位打者を引き寄せた。

 前日には全12球団47人のスカウトを集め、地方リーグでは異例の注目度を示した。この数字は今秋ドラフト最注目の創価大・田中正義投手の視察に訪れた45人を上回り、甲子園をのぞいて今年最多とされる。この日も8球団12人のプロの視線を独り占めした。

 走攻守そろった遊撃手は「ホッとしている。ずっと首位打者を目指していた。この春は狙った場面で本塁打も打てたし、成長できたと思う」と笑顔だ。9日の朝日大との3回戦で右翼に豪快な決勝ソロ。前日に祖父を亡くし、殊勲弾を手みやげに葬儀に直行した。悲しみを乗り越えての栄冠に「あれはじいちゃんが打たせてくれた。いい報告ができた」と目を潤ませた。

 実は野球人生で全国大会の経験がまだない。28日に浜松市で、四日市大(三重リーグ)日大国際関係学部(静岡リーグ)と総当たりの「東海地区大学野球春季選手権大会」で神宮出場をかけて戦う。「三度目の正直。どんな形でも打って、走って、チームのためにすべてをかけたい」と気合が入っていた。