背番号67も続いた! 阪神岩崎優投手(24)が6回2/3、4安打2失点(自責0)と踏ん張って今季初勝利を挙げた。前日27日に完封劇を演じた同学年の左腕岩貞に刺激を受けて巨人戦初白星。チームでは能見、岩貞、横山に続く4人目の先発左腕勝利。また若き先発左腕が価値ある勝利をたぐり寄せてきた。

 粘りに粘った。「全体的に無駄なボールが多かった」と反省するように4与四球。3回には2死から坂本に四球を出し、暴投、味方の失策で先制点を献上。嫌なムードに包まれたが、4回以降ゼロ行進。7回2死一、二塁でマウンドを譲ったが、試合はしっかりと作った。

 期待の男だった。金本監督が就任した直後の昨年末のこと。昨季3勝止まりだった左腕は「完全な4番手、3番手にいくぐらいの気持ちでやってもらわないと困る」と名指しでローテ定着を厳命された。それだけに、この日の試合後は指揮官も「昨日の岩貞の勝ちをさらに価値あるものにしてくれた。もともと、高めが良い投手。今日は低めも良かった。スピードガンよりも打者は速く感じる」と笑顔だ。

 まだ今季1勝目を挙げたばかりだが、ここまで2試合で12回2/3を投げて自責1。防御率0・71と安定している。同学年の岩貞に対して「悔しい思いはある」と正直な思いを明かしていた岩崎は「もっとイニングを投げられるように、この経験を次に生かしていきたい」。当然、まだ満足はしない。若いサウスポーたちがこれからも虎投を熱くする気配だ。【桝井聡】

 ▼岩崎が勝ち投手となり、今季阪神は先発して白星を挙げた左腕投手が4人目となった。これは両リーグ通じて唯一。岩貞4勝、能見3勝、横山2勝、岩崎1勝で10勝目。先発左腕の合計10勝はDeNAと並び最多タイ。