中日が自滅した。1点リードの7回1死二塁。救援したばかりの3番手山井がメヒアに平凡な打球を打たせたが、三塁亀沢が一塁に悪送球し、同点にされた。継投での逃げ切り態勢から一転、勝ち越しまで許し、再び借金1を背負った。

 焦りか、経験の乏しさか。亀沢はいつもの軽快なステップを踏めなかった。球を握りそこね、中途半端なワンバウンド送球。一塁ビシエドが後ろにそらした。「ひと呼吸置いてもアウトのタイミング。もっと落ち着いてやればよかった。言い訳できません」と険しい顔で反省を繰り返した。

 今季、三塁のレギュラーに定着した高橋が4月30日に骨折で離脱してから、三塁は5人が守る日替わり状態になっている。最も経験のある森野が安定感を欠いたのが最初の誤算。エルナンデスは外国人枠で1軍に置けない。最近では、一塁が本職の福田を三塁に本格挑戦させた。

 本来二塁の亀沢は5月17日に1軍で初めて三塁を守って以降、9度目の先発だった。持ち前の守備センスで好守を見せてきたが、決定的なミスを犯した。僅差のゲームを守り勝つのが中日の目指すスタイル。谷繁監督は「もう練習するしかない。それだけです」と成長に期待した。【柏原誠】