中日が今秋のドラフト会議で5年後の「投手王国」復活に向け本格的に動きだすことが15日、明らかになった。13日のスカウト会議で高校生候補を絞り込んだ。中田宗男スカウト部長は「即戦力という力も必要だが、それだけというのは厳しい。すぐ2、3年だけ活躍するのではなく5年後に柱として2桁勝利を挙げる素材を探している」と説明。即戦力の社会人や大学生にこだわらず、将来性を含め好投手が多い高校生の指名を視野に入れている。

 9日に谷繁監督が事実上の解任となった。チームは14日に自力CSが消滅。新体制で臨む来季に向け、若手中心の起用に切り替えている。その上で、中長期的な視点に立った戦力編成の見直しも必要との判断から、即戦力中心だったドラフト戦略の転換も検討されている。黄金期は2桁勝利する投手が複数在籍し「投手王国」を構築していた。昨秋ドラフトで小笠原を1位指名したのも、エース候補としてだった。

 甲子園組では履正社・寺島成輝投手、横浜・藤平尚真投手、花咲徳栄・高橋昂也投手の「高校ビッグ3」に、最速151キロを計測した作新学院・今井達也投手の評価が急上昇した。

 また野手にも注目していて、秀岳館・九鬼隆平捕手や横浜の4番村田雄大外野手らの評価が高い。高校生野手のドラフト指名は12年5位の溝脇が最後。より即戦力補強に傾いていた野手も含めて、将来の中心選手となる逸材を求める。(学年はいずれも3年)