巨人阿部の東京ドーム通算200号は決勝2ランとなった。同点に追いつかれた直後の5回1死一塁。阪神メッセンジャーの直球を完璧なタイミングで捉え、低空飛行で右中間席に突き刺した。前カードの中日3連戦は無安打。「中日戦はタイミングが取れなかった。タイミングを意識すればフルスイングできる。久しぶりにいい感触」。16打席ぶりの安打をアーチで飾り、手応えを口にした。

 東京ドームを「仕事場」と表現する。元日の打ち始めや、神宮球場、横浜スタジアムでの試合前に無人のドームで打ち込む。仕事の準備を丁寧に行い、プロ16年にわたる通勤で通算370本のうち半分以上を職場で積み重ねた。「毎回これだけのファンが来てくれて、その中で打てることに幸せを感じる」と語った。

 貴重な1発に高橋監督は「追いつかれてすぐ慎之助の1本でペースを戻すことができた。(無安打が続いたが)苦しんでいるようには感じなかった」。7月24日に4番に座り、チームは15勝6敗。阿部は「チームが勝てる1本を打てるように。そこを求めていきたい」と明快だ。首位広島も勝利しゲーム差は7のまま。23日からの直接対決に向け、バットで勝利を積み重ねていく。【細江純平】

 ▼阿部が5回に勝ち越しの9号。阿部の本塁打は通算370本目となったが、東京ドームではこの1発が通算200本目。同一球場の最多本塁打記録は王(巨人)が後楽園球場でマークした413本で、同一球場で200本以上は、後楽園球場の王と長嶋(巨人)大阪球場の野村(西武)と門田(ダイエー)広島市民球場の山本浩(広島)と衣笠(広島)に次いで7人目になる。過去の3球場は両翼90~91メートル台と狭く、両翼100メートル以上の球場では阿部が最初に200本打った。