タイトルよりも日本一! リーグトップ98打点を挙げる広島新井貴浩内野手(39)が、チームと同じようにクライマックスシリーズ(CS)優先にシフトした。巨人王を超えるリーグ最年長での打点王の期待がかかるが、32年ぶり日本一への短期決戦を重視して調整する。

 緒方監督は10月12日から始まるCSファイナルステージに備え、主力の休養や選手選考に重点を置く方針を固めている。ピークをCS初戦に設定する考えは、新井も同じ。「(タイトルを)期待されているのであれば取りたいけれど、正直モチベーションにはならない。1カ月後のCSにどう入っていくか。どこで落として、どこで上げていこうか考えている」と明かした。残り1カ月を調整期間と位置づけ、個人成績は二の次とする。

 短期決戦の難しさは嫌というほど味わっている。阪神時代に4シーズン、CSに出場したが、通算30打数6安打で打率2割。0本塁打1打点と結果を残せていない。「一発勝負の難しさはいっぱい経験してきた。簡単じゃない」。5年ぶり2度目の打点王のタイトルは譲っても32年ぶりの日本一は譲らない。【前原淳】