阪神が助っ人大砲取りに乗り出すことが12日、分かった。不振で2軍調整中のマット・ヘイグ内野手(31)が同日、右肩治療のため米国に帰国。球団は来季契約を更新せず、このまま退団が濃厚だ。今季は得点力不足に泣いたことから、球団は中軸を打てる助っ人の獲得調査を本格化。今季途中にも獲得を検討したアレックス・ゲレロ外野手(29=ドジャースFA)らを再リストアップし、獲得に全力を注ぐ。

 今季も残り11試合となり、阪神が来季巻き返しへの戦力整備を本格化させてきた。この日、不振で2軍調整中のヘイグが右肩痛の治療で米国に帰国したと発表した。マートンの代役と期待されたが打率2割3分1厘、2本塁打、11打点の寂しい成績。6月初旬の2度目の降格後は再上昇の兆しも見えず、8月には右肩痛も発症して試合に出られない日々が続いた。球団も来季契約を更新せず、このまま退団することが濃厚だ。

 いよいよ新大砲取りにかじを切る。今季チームが低迷した要因は明らかな得点力不足で、中でも3外国人野手が活躍できなかったことが大きく響いた。3年目のゴメスもスタメン落ちするなどいまだ状態が上がらず、今季1軍昇格のないペレスとともに来季残留は白紙。金本阪神2年目の優勝には得点力アップが不可欠で、中軸を打てる新外国人の獲得は最重要課題だ。

 8月には高野栄一球団本部長が渡米し、シーツ、ウィリアムスの両駐米スカウトと会談。新外国人情報を収集する中で、再びリストアップした1人がドジャースからFAの右打ちゲレロだ。14年にメジャーデビューし、昨季は11本塁打をマーク。特に4月はマリナーズ岩隈から豪快弾を放つなど5発を量産し、月間最優秀新人にも輝いた。

 阪神は今年夏場からの獲得も検討したほどで母国キューバの国内リーグで5年連続2桁本塁打を放ったパワーにも注目。一方で変化球を右中間に運べるうまさも持ち合わせており、日本向きとの前評判も高い。今後は、ゲレロも含めた候補選手の映像をチェックしながら協議を重ね、絞り込み作業を加速させていく。

 戦力整備は投手陣にも向けられる。残留が決まっているのはメッセンジャー1人だけで、他の3投手は白紙であることも判明した。呉昇桓の代役で獲得したマテオは不安定な投球で一時期守護神を剥奪されるなど、16セーブ止まり。代わって守護神を務めたドリスも、右肘の炎症で復帰のメドが立っていない。急きょ6月に獲得したサターホワイトは防御率1・69と安定感があるが、残留への決定打はない。先発陣も藤浪や岩田らの不振をどうカバーするかが課題。今後は先発と抑えの獲得を視野に入れたリストアップ作業に本腰を入れることなりそうだ。

 ◆アレックス・ゲレロ 1986年11月20日、キューバ生まれ。亡命し、13年10月にドジャースと4年総額2800万ドルで契約。メジャーには14年に初昇格し、15年は106試合に出場した。今季は左膝を痛め開幕を故障者リストで迎え、6月にFA。今季は1A、2A、3Aの3球団でプレーし、マイナー計16試合、9安打、1本塁打、打点4、打率1割3分6厘。外野に加え二塁、遊撃、三塁も守れる。185センチ、100キロ。右投げ右打ち。