巨人の野球賭博事件で、元選手を客としていた胴元役を相手に賭博を開いたとして、警視庁組織犯罪対策4課は24日、賭博開帳図利の疑いで指定暴力団山口組系組幹部の三宅雅剛容疑者(42)ら男3人を逮捕した。

 一連の事件で暴力団の関与が明確になったのは初めて。組対4課は元選手らが賭けていた金が暴力団の資金源になっていたとみて解明を進める。三宅容疑者は「知らない客もいる。すべて自分でやっていたわけではない」と一部否認している。

 他に逮捕されたのは、いずれも山口組系元組員の溶接工酒井良昌(37)と派遣作業員福岡勝美(36)の両容疑者。2人は容疑を認めている。

 逮捕容疑は、2014年3月~10月のプロ野球と同年8月の高校野球の試合を対象に「ハンディ戦」と呼ばれる賭博を開き、客から手数料を徴収し利益を得た疑い。

 捜査関係者によると、3人は元飲食店経営斉藤聡被告(38=賭博開帳図利罪で公判中)ら7人の客を相手に賭博を開き、計25試合で、計140万円の賭け金を集めていた。

 野球賭博の主催者側は「大胴元」「中胴元」「小胴元」の階級に分かれているといい、斉藤被告は小胴元で、今回逮捕した3人はより上位の中胴元とされる。

 斉藤被告は、賭博開帳図利ほう助などの罪に問われた元選手笠原将生被告(25)や、松本竜也(23)、高木京介(27)の両元選手を客として賭博を開いた胴元役として逮捕、起訴されている。

 笠原被告は他に大学院生松永成夫被告(40)らを胴元役とする賭博にも参加。福田聡志元選手(33)も客だった。同課は松永被告ルートの背後関係も捜査している。

 東京簡裁は8月、賭博罪で松本、高木、福田の3元選手に罰金の略式命令を出し、3人とも即日納付した。