中日岩田慎司投手(29)が引退登板を笑顔で終えた。

 0-2の7回2死一塁。先発の吉見からボールを受け取ると、最後のマウンドに向かった。打者メッセンジャーに対し初球直球でファウル、2球目スライダーで遊ゴロに仕留めた。投げ終わると同学年の阪神上本、通算402セーブ左腕岩瀬から花束を受け取り、一塁ベンチ前では中日ナインと笑顔で握手を交わした。

 マツコデラックスが出演するバラエティー番組で魔球と取り上げられた無回転フォークを投げるチャンスを狙ったが「追い込んだらいこうと思っていたんですけど、打たれたので」と苦笑い。

 家族や2軍選手もナゴヤドームに駆けつけ有終の美を見守った。岩田は「やり切った感が強い。後輩みんなが来てくれた。野手も来てくれてありがたかった。なるべく泣かないでおこうと思っていたけど、自然と笑顔になった。楽しかったです」と8年間のプロ生活を締めた。

 監督代行を務める森繁和ヘッドコーチ(61)は「あいつに助けられた。回数は多くとは言わないけど。困ったときに谷間を投げて勝ってくれた。まじめに野球以外も後輩に教えている姿も見たし。どこかに携われる、力も持っていると思う」とねぎらった。