日本ハム大谷翔平投手(22)が12日から始まるクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージへ向けて、明日5日の紅白戦に登板することが内定した。3日、札幌ドームで行われた全体練習に参加し、フリー打撃などを行い日本一に向けて再始動した。胴上げ投手となった9月28日西武戦から中6日となる紅白戦登板。さらにそこから中6日で迎えられるCS初戦に登板する可能性が高まった。

 2日間の休日を終え、大谷がリフレッシュしてグラウンドに戻ってきた。「だいぶ、楽にはなりました。ちょろっとは(体を)動かしましたけど」。自転車型トレーニング器具などで軽く体は動かしたが、基本的にはしっかりと休養を取った。この日のアップ中には、テレビ番組収録で訪れた「ザキヤマ」ことアンタッチャブル山崎が隣でストレッチを開始して爆笑。終始、リラックスムードで、短期決戦への再スタートを切った。

 12日から始まるCSファイナルステージへ、投打「二刀流」の起用法が見えてきた。チームは12日までに3試合の紅白戦を予定している。大谷はまず、明日5日に投手として先発登板することが決まった。3イニングを投げる予定で「しっかり調整できれば。紅白戦ですけど、ゲームと同じ感覚で」と、味方相手にも本気モードを予告した。優勝を決めた9月28日西武戦から中6日での登板。CSファイナルステージ初戦も中6日で登板可能。万全の状態で先陣を切る態勢が整うことになる。

 栗山監督は「方向性は出ている」とだけ明かした。シーズン終盤には大谷を先発登板翌日に野手でスタメン起用したり、前日に代打起用もした。これまでの禁を破ってまで、リーグ制覇へ最後のムチを入れたが「そこは(無理させずに)ちゃんとする」と、短期決戦で投手として中4日での起用などは否定。重要な初戦を投手として託せば、残り試合は野手としてもスタンバイが可能だが「バランス良く、どこで、どういう風に使ったらいいか」と、思案している。

 この日、大谷はブルペン入りはせず、練習開始直後は投手組でキャッチボール、その後はフリー打撃を消化した。日本一を目指す戦いへ向けての再始動。「(連休は)ここから気を引き締める意味では良かった」と、CSまでに心身ともに再仕上げを図るつもり。追い求めてきたリーグ制覇に「ホッとは、しました」というつかの間の休日も終了。再びやってくる大一番へ、抜かりなく調整を進めていく。【木下大輔】

<投手大谷のCS>

 ◆初登板 14年10月11日、オリックスとのファーストS第1戦でポストシーズン初登板。試合前から右手薬指を出血、5四死球と乱調気味も6回を5安打3失点に踏ん張り、最速160キロをマーク。20歳3カ月のポストシーズン白星は年少3番目。

 ◆逆王手 14年10月19日、ソフトバンクとのファイナルS、2勝3敗と後がない第5戦に先発。2回に4点を先制されたが、7回を6安打4失点に粘った。勝ち星こそつかなかったが、12奪三振もマークした快投で、チームを延長11回逆転勝ちに導き逆王手をかけた。

 ◆初KO 15年10月10日、ロッテとのファーストS第1戦に先発。1-0の2回に四球と連打で3失点、3回も2死走者なしから3連続二塁打で2失点。3回もたずにKOされた。救援陣も炎上し初戦を落とした。