西武岸孝之投手(31)が、昨年取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使する意思を固めたことが29日、分かった。日本シリーズ終了を受け、近日中に球団に伝える。海外移籍の考えはなく、西武残留を含めた国内球団に絞って、決断を下す意向だ。

 関係者の話を総合すると、岸はプロ入りから10年間在籍した西武への愛情と恩義を強く持つ一方で、プロ野球選手として他球団の評価を知りたい思いが強くなったという。西武とはここまで複数回の話し合いを行ったが、31歳という年齢も考え、新たな挑戦という選択肢を加える決意をした。

 今季は右足内転筋痛での離脱はあったが9勝をマーク。球団はエース慰留へFA宣言しての残留を認める方針で、すでに複数年契約を提示。今後も引き留めに努める。一方で、岸のFA権行使で、複数球団が獲得に乗り出すことが濃厚。楽天は、ここまで岸の動向を注視してきており、獲得交渉に臨むとみられる。他にもオファーに動く球団が出る可能性は高い。

 岸はこの日、西武第2での1、2軍合同練習に参加。FA権の行使について語ることはなく、ランニングなどで汗を流した。