DeNA山口俊投手(29)が今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使する可能性が高まった。29日、プロ野球の全日程が終了。明日31日から権利行使の書類提出期間に入る。この日までに山口は「チームに愛着がある。残留は自分が一番望む道」としながらも「1度の野球人生。一番、評価してもらえるところでプレーするのか、葛藤はある」と胸中を明かしていた。

 行使となれば先発投手の補強が重要課題となっている巨人などが調査を本格化させ、複数球団による争奪戦となることは必至。巨人はエース菅野、マイコラス、田口の3枚は確立されているが4枚目以降は安定感を欠くのが現状だ。内海、大竹寛のベテランを組み込みながらシーズンを戦ったが、3年ぶりのリーグ優勝へ先発陣の整備は急務だ。他球団にとってもニーズは必然的に高くなる。

 山口は今季、自身最多の11勝(5敗)を挙げ、5完投3完封とリーグ屈指の完投能力も証明した。シーズン終盤は右肩痛で離脱し、CSは回避したが、順調にリハビリを進めており来季以降の不安材料にはならない。去就の決断時期について「早く決められるものなら決めたい」と話しており、近日中にも意思決定するとみられる。

 すでに3年以上の大型契約を提示しているDeNAも、流出阻止へ異例の行使残留を認める方針を示している。FA書類提出の締め切りは11月9日。現時点では最終決断は下していないものの、複数の関係者の話を総合すると、来季は新天地でプレーする可能性は十分にある。