社会人野球のJR北海道は4日、業績悪化に伴う経営合理化のため、道内社会人野球で唯一、企業チームとして活動していた硬式野球部を、今季限りで休部すると発表した。

 同部は創部108年目で、現存する日本最古の企業チーム。10月の日本選手権にも道代表として出場した。今後はクラブチーム(名称未定)として規模を縮小し、都市対抗、日本選手権の全国2大大会出場を目指す。

 4日、中間決算発表を行ったJR北海道は、台風被害の影響などで17年3月期の経常損益を、単体で当初の175億円の赤字から、235億円の赤字へ大幅に下方修正。厳しい経営状況を背景に、創部100年以上を誇る硬式野球部を休部し、クラブ化して運営規模を縮小することを決めた。

 これまで野球部員は午前中に勤務に就き、午後から練習を行っていた。クラブ化に伴い、一般社員と同様に業務を行い、練習時間は土日を中心に確保することになる。前日3日に会社から通告された狐塚賢浩監督(50)は「野球が出来る環境を残していただけたことはありがたい。クラブとしてチームを維持して欲しいと説明を受けており、来年も都市対抗や日本選手権出場を目指していきたい」。経営が安定すれば、再び企業チームとして活動再開の見通しだが、楽観は出来ない。野球部は今日5日に全体ミーティングを行い、今後について話し合う。

 同野球部ホームページによれば現在25人の部員が在籍。一昨年夏の甲子園に東海大四(現東海大北海道)のエースとして出場、超スローカーブで話題になった西嶋亮太投手(19)や、ヤンキース田中将大投手と同期で駒大苫小牧で活躍した本間篤史外野手(26)らがいる。

 ◆JR北海道硬式野球部 1909年(明42)に「鉄道団チーム」として国鉄で最も早くに創部。22年「札幌鉄道局」に改称し、国鉄民営化に伴って87年から「JR北海道野球部」に。全国2大大会には、都市対抗13度(最高成績3位=07年)、日本選手権8度(同8強=10年)出場しており、プロ選手も多数輩出。10月29日の日本選手権初戦で日本通運に0―1で敗れ、これが同部として最後の公式戦となった。