ウインターリーグ参加を希望していたソフトバンク松坂大輔投手(36)の派遣先が、プエルトリコのヒガンテス・デ・カロリナに内定したことが9日、分かった。現地関係者によると松坂は今月下旬からチームに合流予定。同チームにはカージナルスのヤディエル・モリーナ捕手(34)も在籍しており、8年連続ゴールドグラブ賞受賞のメジャーNO・1捕手とのコンビで復活への足掛かりをつかむ。

 日本球界での復活を目指す松坂が、オフの間もプエルトリコで実戦のマウンドに立ち、来季へのきっかけをつかむ。派遣先に選ばれたのは、巨人の若手らもプレーするヒガンテス・デ・カロリナ。過去には東浜、飯田ら多くの若鷹も武者修行を積んだ球団だ。

 13年WBC準決勝で、日本を破ったプエルトリコ代表捕手のモリーナが在籍していることも心強い。8年間メジャーでプレーした松坂とバッテリーを組む可能性もある。世界屈指の名捕手とのコンビが実現すれば、地元ファンにとっても話題性十分。新たな投球術が引き出されれば、来季に向けて大きなプラスとなる。

 松坂は日本球界復帰2年目の今季、10月2日の楽天との最終戦で10年ぶりに日本の1軍のマウンドに上がったが、1回5失点と乱調。「結果と内容を受け止めて、また頑張ります。来年に向けて、また一からつくりあげていく」と話していた。シーズン終了後はヤフオクドームや筑後のファーム施設などでトレーニングを続け、実戦での登板機会を待ち続けてきた。

 プエルトリコのウインターリーグはドミニカ共和国やベネズエラ、メキシコと比べてレベルが低いと言われている。だが関係者によるとベネズエラの治安が悪化。その影響で、例年同国でプレーする外国人選手が今年は他の3カ国に散らばり、プエルトリコのレベルは例年よりも高いという。

 将来性のある2A、3Aクラスの若手選手らを相手に結果を残せば、契約最終年となる来季への自信にもつながるはず。松坂はベテランでは異例となるウインターリーグ調整で、完全復活への道しるべをつくる。

 ◆ヤディエル・モリーナ 1982年7月13日、プエルトリコ生まれ。00年ドラフト4巡目でカージナルスから指名され、04年にメジャーデビュー。翌05年から正捕手。08年から8年連続ゴールドグラブ賞受賞。06、11年にはワールドチャンピオン。WBCはプエルトリコ代表として第1回大会から3大会連続出場。13年の第3回では準優勝に輝き、ベストナインにも選ばれた。