ヤクルトが、球の回転数、回転角度、打球の角度や飛距離などを計測可能とするデンマーク製の弾道測定器「トラックマン」の導入を検討していることが16日、分かった。メジャー全球団、国内でも多くの球団が採用するもの。チーム関係者は「設置するかどうか、具体的な話はまだ進んでいないが、興味はある」と前向きに考えている。

 トラックマンは、もともと軍事用に開発されたレーダーシステム。対象物にレーダーを発射し、精度の高い計測と分析を可能にする板状の装置でスポーツでは、ゴルフ界がいち早く導入した。PGAツアーなどでは公式計測器として採用されている。また男子ゴルフの松山英樹が購入したことで注目を集めた。

 投球のリリースポイント、投球角度、回転数などスピードガンでは計測不能だった部分を数値化できる。打者であれば、打球速度や角度、正確な飛距離を分析できるため、各選手の調子の波をコーチ陣がその都度、正確な数字で把握することが可能となる。

 国内球団では、楽天が早くから導入。データを解析する「戦略室」を新設し、膨大な量の情報をチーム戦略に生かしている。セ・リーグではDeNAも導入した。データを重視するラミレス監督が有効活用し、今季球団史上初のCS進出につなげた。連覇を逃したヤクルト。最新機器を導入し、来季の雪辱につなげる。