侍ジャパンの強化試合で中継ぎで活躍した中日岡田俊哉投手(24)が手土産を磨いてスケールアップする。16日、ナゴヤ球場で契約更改し、600万円増の年俸4000万円でサイン。阪神藤浪や広島大瀬良から学んだ高速スライダーを覚え、来年3月WBCからの1年フル稼働を誓った。(金額は推定)

 岡田が持ち帰ったものは大きかった。初選出の侍ジャパンでは、阪神藤浪や同学年の広島大瀬良から高速スライダーの握りを見せてもらった。投げている姿も観察。2人以外にも気になった投手を見て、ヒントを頭に詰め込んだ。岡田は「速い変化がほしい。僕のは120キロ前後なので」と、今オフに新たな武器の習得に励む。

 新球の握りを学んだだけではなく、トップクラスの選手たちの中でプレーし自覚も芽生えていた。肌で感じたことは「そんなに差はない。やっていることも、技術も」。契約更改の場で左腕が口にしたのも「何とかチームを変えていこうと。最下位ですからね」とチームを浮上させる力となる覚悟だった。

 今季は序盤に調子を落とし2軍調整となった。勝ちパターンで投げられないことも多かった。技術と精神力の両面の成長が必要だと実感。岩瀬や田島らを手本に勝利の方程式の一角を目指す。西山和夫球団代表も「彼がつかんできたものは大きい。雰囲気を敏感に感じてきた。経験は大きい」と期待する。

 強化試合で2試合に登板し無失点投球の岡田は、来年3月のWBCへの選出もあり得る。「可能性はあるのだからそれに向けて準備するのがプロ」と位置づける。さらに強いのが、チームへの思い。「優勝は難しいかもしれないけど、絶対にAクラスに行きたい」。侍戦士がチームでも力を発揮する。【宮崎えり子】