あるぞ2・1実戦! 阪神金本知憲監督(48)が、若虎に春季キャンプ初日から実戦モードで合流することを厳命した。前日16日に秋季キャンプを打ち上げ。過酷な練習を乗り切った若手を称賛する一方で、オフの鍛錬が大事と力説。成果のチェックとして、2月1日の実戦導入プランが浮上した。04年に中日落合監督が実行してリーグ優勝に導いた超速実戦も視野に、改革を推し進める。

 地獄のキャンプは単発のドラマではない。若虎のハードな鍛錬には、続編がある。オフの間にどれだけトレーニングを積めるか。金本監督は来年2月1日、春季キャンプでの再会を楽しみにした。「投げる、走る、振れるは当たり前。トレーニングの数値が落ちている選手はやっていないということだから」。厳しいチェックを予告した。

 超変革1年目は、新人王の有力候補である高山らの若手が、1軍でアピールする姿が目立った。秋季キャンプは若手の底上げをこだわり、1日最低1000スイングのノルマを課し、朝から夜までバットを振らせた。過酷な練習を乗り越える姿に、前日16日のキャンプ打ち上げでは指揮官も思わず称賛の言葉を送った。

 「今の選手、強くなっていますよ。オレは満点だと思う」。豊富な練習量をこなせたことは大きな収穫。オフに継続していくかが成長の鍵を握る。若手を対象に、金本監督が課した筋力トレーニングを12月まで続行する方針を示したのは、その一環だ。

 そこで浮上したのが、2月1日の実戦プランだ。過去には04年に落合中日が実施し、昨年も掛布2軍監督の提案で2軍キャンプでは異例のシート打撃が行われた。指揮官はそれを踏まえて言った。「去年2軍がやって、昔、落合さんも中日でやっていたから。それはオフに怠けるなという意味だと思うから」。

 実戦形式は成果が表れやすい。秋季キャンプでも、紅白戦と練習試合を計5試合も組んだ。春もその流れをくむ可能性はある。阪神1軍で2月1日に実戦を行えば、おそらく球団史上初だろう。年明けからは選手の自主トレ風景も情報として入ってくる。「動きを見たら、分かる。動きと体つきと、体脂肪率と体重増加と」。指揮官の目に若手の鍛錬はどう映るか。地獄のキャンプが終わっても、若虎には気の抜けない日々が続く。【田口真一郎】

 ◆04年中日落合監督のキャンプ初日紅白戦 03年オフに就任した中日落合博満監督は、同年オフの秋季キャンプで、翌年04年春のキャンプについて「初日に紅白戦を行う」と伝えた。選手たちはオフの自己管理を厳しく問われる形となり、体づくりを徹底。1月2日には名古屋市内の屋内練習場に落合英、野口ら6選手が集まり汗を流した。2月1日のキャンプイン当日には、予定通り北谷球場で紅白戦を敢行。雨のため5回打ち切りとなったが、復活を目指す川上が147キロをマークするなど、投手陣が充実の仕上がりを披露した。落合監督は「こういう状態でキャンプに入ってくると、次に簡単に進める」と手ごたえを口にし、その年のリーグ制覇につなげた。