阿部から小林誠へ、捕手道が伝授される。巨人阿部慎之助捕手(37)の来年1月のグアム自主トレに小林誠司捕手(27)が初めて同行することになった。2人は25日、静岡・熱海市内での球団納会に出席。長年死守した捕手への思いを封印し、来季は一塁でフル出場を狙う阿部が、培ったものを伝える決意を固めた。「こういう立場になって、チームが勝つために少しでも力にならないといけない。小林と同じ時間を過ごすことで何かを感じてもらえたら」。同じ鍛錬の時間を送ることを明かした。

 巨人の捕手史上、最高の成績を収めた阿部と、次代を担う小林誠が向き合った。前日24日、捕手会で夕食を共にし、シーズンの労をねぎらった。阿部は今季は捕手復帰を目指したが右肩痛などでかなわず、正捕手は129試合出場の小林誠が務めた。後輩の懸命な姿は認めつつ、もどかしさも感じていた。かねて「もっと聞いてきてほしい」と考えていた。脱皮を図ろうと必死な後輩に合同自主トレを投げかけ、小林誠も受け入れた。

 小林誠は昨オフは相川らとサイパンで自主トレに励んだが、環境を変えて阿部の胸に飛び込む決意を固めた。「阿部さんは勝たれているキャッチャーなので、いろいろなお話を少しでも聞いて身に付けられればと思います。勝ちたいです」。来季はもちろん、未来の巨人を背負う覚悟を決め、師匠と愛弟子が共闘する。【浜本卓也】