「NPBアワーズ2016」の表彰式が28日、都内で行われ、セ・リーグの最優秀選手(MVP)は広島の新井貴浩内野手がリーグ最年長の39歳で初選出された。

 あのアライさんがMVPだ! 39歳で選ばれた広島新井は10年の和田(中日)の38歳を抜き、セ・リーグ最年長受賞。「最年長ですか。年は取っているけど、そういう意味では少しは『よく頑張った』と自分を褒めてあげたい」と笑った。黒田には冗談で派手なガッツポーズを指示されていたが、「とらせていただいた賞なので出来ません。受賞も人ごとのような感じ」と笑った。

 今季は4月26日ヤクルト戦(神宮)でプロ野球47人目の通算2000安打を達成。8月2日にはプロ野球42人目の通算300本塁打も放った。年齢を感じさせないプレースタイルで引っ張った。ドラフト6位で入団して07年オフ、阪神にFA移籍。自由契約を経て広島に復帰して2年目だ。「支えてくださった周りの方に感謝したい」と万感だった。

 先輩であり盟友の黒田と取った賞だ。この日特別表彰を受けた黒田とは、2人で常に若手選手のお手本だった。壁をつくらず、相談役にもなった。引退の相談も受けた。来季は黒田がいないシーズン。「黒田さんとの2年間。僕も若い投手も黒田さんの気持ち、姿勢を忘れずにやっていきたい」と引き締めた。

 来季の目標はセ・リーグ連覇、そして33年ぶりの日本一だ。黒田も「結果を出すのは当然ですけど、それ以外の部分でチームを引っ張っていける」と太鼓判を押す。来季40歳の新井は「カープの良さは一体感。また一体となって日本一を目指したい」と応えた。アライさんは、まだまだ伝説を作っていく。【池本泰尚】

 ▼新井は39歳で受賞。MVPの高齢では40歳の88年門田博光(南海)に次ぎ、39歳の47年若林忠志(阪神)に並ぶ2番目。セでは10年和田一浩(中日)の38歳を上回る最年長。