インディアンス、レッドソックスなどでプレーし、大リーグ通算555本塁打を誇るマニー・ラミレス外野手(44)が、独立リーグ・四国アイランドリーグ(IL)plusの高知と入団交渉を行っていることが1日、分かった。来年5月で45歳を迎えるが、代理人を介し、選手として自らオファー。高知側も受け入れるスタンスを既に伝えている。メジャー指折りの強打者とされた男の打棒が来季、日本で見られるかもしれない。

 メジャーの超大物が来季、日本で活躍する可能性が浮上した。独立リーグの四国IL高知に、仰天の逆オファーが舞い込んだのは11月22日。あのマニー・ラミレスから、代理人と同球団の外国人内野手を介して入団の売り込みがあった。梶田宙球団社長(33)は「名前はもちろん知っていましたし、ビックリですよね」と青天のへきれきに興奮を隠せない。

 ラミレスといえば、大リーグ歴代15位の通算555本塁打を誇り、打率も通算で3割超の超一流打者。同日(現地時間21日)には、17年米野球殿堂の候補にもノミネートされた。来年で45歳という年齢的なネックはあるものの、天性の打撃センスはそう簡単には衰えない。球団はコーチではなく、あくまで選手としての起用を想定し、入団OKの姿勢を示している。

 世界最高峰の舞台でもまれた豊富な経験は、プロを志す若手の手本となる。高知はかつて、今季首位打者のロッテ角中を輩出。NPB入りを目指す選手が切磋琢磨(せっさたくま)している。同社長は「メジャーで経験したもの、本格的なメジャーのプレーを見せてもらえれば」とチームへの還元も期待した。

 ラミレスは親日家として知られ、04年の日米野球や08年のレッドソックス開幕戦などで来日。台湾プロ野球の義大を退団した13年には「日本でプレーすることも」と日本球界入りをにおわせ、成田空港に降り立ったこともあった。交渉はすでに開始され、現状はラミレス側からのリアクション待ち。入団が実現するかどうかはまだ流動的だが、球団は期限を決めずに返答を待つ方針だ。

 契約条件など、詳細は今後の進捗(しんちょく)状況を見ながら提示していく。昨季は同じくメジャー帰りの阪神藤川が所属し、球界に明るい話題を提供した高知の地。今度は過去最大のビッグネームが、再び独立リーグを盛り上げるかもしれない。

 ◆マニー・ラミレス 1972年5月30日、ドミニカ共和国生まれ。91年ドラフト1巡目(全体13位)でインディアンス入団。93年に初昇格し、99年に165打点で初タイトル。01年からレッドソックス入りし04年に本塁打王、ワールドシリーズMVP。レイズ入りした11年に2度目の薬物使用が発覚し一時引退。その後は複数球団とマイナー契約を結びメジャー復帰を目指すも昇格できず。13年には台湾リーグでプレーし、14年はカブス傘下マイナーで選手兼打撃コーチ。メジャー通算2302試合に出場し、歴代15位の555本塁打、同18位の1831打点。ポストシーズン通算29本塁打は歴代1位。球宴12回選出。183センチ、102キロ。右投げ右打ち。

 ◆大物MLB助っ人 過去にNPBに所属した外国人で、来日時の通算本塁打最多は元楽天A・ジョーンズの434本。ブレーブスで11年連続2桁本塁打を記録し、05年には本塁打と打点の2冠に輝いた。日本では2年間で通算50発。元巨人R・スミスは、両打ちでは歴代8位の通算314本塁打。メジャー最年長本塁打記録を持つ元ロッテJ・フランコは来日4年前の91年に首位打者に輝いた。元阪神C・フィルダーは来日時に通算31本塁打だったが、MLB復帰した90年から2年連続で本塁打王を獲得した。

 ◆四国アイランドリーグplus 四国4県を活動地域とする。05年発足。現在の所属球団は愛媛マンダリンパイレーツ、香川オリーブガイナーズ、高知ファイティングドッグス、徳島インディゴソックス。過去には九州などの球団が参加していたこともある。