家庭教師のアライさん!? 25年ぶり優勝の記念旅行で訪れた常夏ハワイで、広島新井のカープ愛は燃えていた。入団以来初の「弟子」をとっていたことを明かした。「堂林がお願いしますと言ってきた。自分に出来ることがあれば協力したい。聞いてきたことに対しては、答えるようにしている」。優勝旅行出発前にも、広島市内でトレーニングをともにした。堂林の並ではない覚悟を感じ取っていた。

 三塁手で長距離砲ながら穴が多い堂林に新井は「自分の若いころとかぶる。ただ持ってるものはものすごい。魅力があるよね」。石井、東出の両打撃コーチからも堂林への助言を頼まれた。毎年恒例の護摩行にも同行を志願してきた。「本当にしんどい、苦しいからやめとけ、と言ったけど、3回言ってきた。これは意思が固いと」と許可。親身になったマンツーマン指導で殻を破るお手伝いだ。

 根底にはチーム愛がある。緒方監督が前日「4番誠也」プランを口にした。今季67試合で4番に座った新井は「かかって来いという気持ちが半分。もう半分は本当に打ってくれと。新井さんゆっくりしてくださいと、若い選手が台頭してくれば、これからのカープにとってすごくいい」と真顔で言った。(ホノルル=池本泰尚)