中日浅尾拓也投手(32)が、復活を期して「馬原塾」に入門する。9日、大阪市内で「ミズノ ブランド アンバサダーズ ミーティング」に参加。ソフトバンクなどで活躍した馬原孝浩氏(35)のもとで、年明けに自主トレすることを明かした。「あと何年プロにいれるのか分からない。後悔したくない。馬原さんには絶対良くなるからと言われた」。同じ右肩故障歴のある馬原氏に復活のヒントを学ぶ。

 今季は右肩の故障などもあり、10年目で初めて1軍登板できなかった。6月には1軍を目前で再発。故障に悩まされた1年で、来季は背水イヤーになる。そんなシーズン終了直後、三瀬スカウトを通じて、これまで接点がなかった馬原氏から声をかけられたという。

 同氏は「福岡ソフトバンクジュニア」の監督を務めながら、柔道整復師と鍼灸(しんきゅう)師の資格取得を目指し、北九州市内の専門学校で学んでいる。今年1月には、ソフトバンク摂津がストレッチ法を教わるなど、その道に精通している人物だ。浅尾は「肩の勉強をしていると。僕も教えてもらいたい。筋肉を強くして、より柔軟性のある筋肉を増やす。ストレッチ量も多くするみたいです」と目を輝かせた。毎年恒例だったグアム自主トレはやめ、福岡県内で汗を流す。

 199ホールドの浅尾に対し、馬原氏は日本歴代7位の通算182セーブを誇る。ともに救援で一時代を築いたが、馬原氏は右肩の故障から再起した最高のお手本でもある。「面識がないのに、本当にありがたい。治して恩返しがしたい」。全ては復活のため。不安を排除し、17年シーズンに懸ける。【宮崎えり子】

 ◆馬原孝浩(まはら・たかひろ)1981年(昭56)12月8日、熊本県生まれ。熊本市立(現・必由館)-九州共立大を経て03年自由枠でダイエー(現ソフトバンク)入団。2年目の05年から抑えに転向し、07年には38セーブでタイトル獲得。12年オフにFA移籍した寺原の人的補償選手として、オリックスに移籍した。15年限りで現役引退。通算182セーブはプロ野球7位。現役時代は181センチ、80キロ。右投げ右打ち。