4日に心不全のため86歳で死去した元巨人打撃コーチ荒川博氏の通夜が10日、東京・中野区の宝仙寺で営まれた。1本足打法を指導されたソフトバンク王貞治会長(76)が葬儀委員長を務め、約400人が参列。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(80)ら多数の球界関係者が故人をしのんだ。

 会場には王会長と2人で猛特訓をする写真が3枚飾られていた。先頭で焼香を行った王会長は「ただただ感謝するのみ。とにかくバットを振って、振って、振りまくった。荒川さんが本当に自分の身を削って、私に伝えてくれたというのが1本足打法。もちろん、私ひとりでは絶対できませんでした」と振り返った。

 荒川氏の戒名は「天球院博譽高達居士(てんきゅういんはくよこうたつこじ)」。「天」は「二」「人」と荒川氏と王会長の「2人」を表し、「2人で野球を極めた」という意味を込めた。

 亡くなった4日は王会長も病院に駆け付けたが死に目には会えなかった。「突然でしたので、お別れをしていないのが残念。送る立場からすれば、苦しまないで、瞬時に天国に上られた。荒川さんは幸せだったのかなと思います」と言葉を投げ掛けた。告別式は今日11日に行われる。