虎型ボディーに進化させる! 阪神にFA移籍した糸井嘉男外野手(35)が今オフ、甲子園仕様の肉体を作り上げていることを明かした。1年前に90キロ台前半でキャンプインした体重を、90キロ台中盤から後半まで持っていく方向。力強い打球で広々とした甲子園の右中間を切り裂き、ダイヤモンドを駆けまくる。

 甲子園を走り回る背番号7の姿が目に浮かぶ。糸井は今オフ、甲子園仕様の肉体を作り上げていた。オリックス時代の昨オフは盗塁増を狙うため、例年より軽めの体重でキャンプイン。今オフは古傷を抱えていた左膝への心配が消えたこともあり、1年前より体重を増やす方向だという。

 糸井 今年(が始まる前)はちょっと体重を減らしましたね。走って盗塁をしないといけない、という気持ちがあったので。最近の中では今年が一番減らしました。それまではキャンプ前とかだったら、オフに大きくして100キロぐらいあった。それが今年は90キロ台前半で入った。今オフは…、ちょい大きいバージョンでいきますよ。

 甲子園といえば、広々とした外野芝生が印象的。特に右中間、左中間は他球場と比べて膨らみが大きい。力強いライナーで打球を右中間最深部まで到達させ、快足を飛ばして一気に三塁へ。期待される盗塁連発はもちろんのこと、甲子園ならではの快足シーンを何度も見せつけるためには、スピードと力強さの両立が必要になる。

 金本監督は11月25日の糸井入団会見後、「躍動感のある選手というのは本当に必要。走れる選手はチームに勢いを与えてくれるから」と力説していた。指揮官の理想を体現するべく、さらに肉体を進化させる。糸井は今オフの増量計画について「90台後半? そうですね」とイメージ。走攻守3拍子そろったスーパープレーヤーとして、理想の体を追い求める。

 糸井 オフにトレーニングするかどうかは選手によって分かれる。僕の場合はガンガンやります。

 今季は53盗塁でタイトルを獲得。ここで体重増に踏み切れるのは、膝の状態に自信がある証拠に他ならない。現在は多忙の合間を縫って、東京都内や関西などで着々と妥協なきトレーニングを続けている。14年にはパ・リーグ最多の36二塁打を記録した韋駄天(いだてん)。来季は聖地の広い外野芝生を最大限に利用して、進化ボディーで走りまくる。【佐井陽介】