DeNAにとって収穫多きシーズンになった。ラミレス監督が就任し「センターライン」の固定に着手。捕手には新人戸柱を抜てき、遊撃は倉本、中堅には桑原を起用し、飛躍のシーズンに結びつけた。二塁は固定までは至らなかったが、強打の宮崎を多用。ラミレス監督も「私が就任してからの大きな仕事の1つは新しくレギュラーとして4人を起用した。彼らの働きがチームにとって力になった」と説明した。

 110打点、44本塁打の4番筒香の活躍は近未来への大きな光にもなった。高卒7年目の若き主砲が一気に開花。球界を代表する主砲にまで上り詰めた。「チームの勝利が一番。打っても負けたら意味がない。勝利に直結する一打が大事」と主将として2年目を迎えた成熟度は増すばかりだ。絶対的な主砲の4番筒香の周りをがっちり固められたことがチームを機能させた要因だと考えられる。

 課題は「勝利の方程式」にある。須田、三上、田中の働きでカバーしたものの、中盤戦以降は守護神山崎康が打ち込まれるシーンが目立った。先発陣は、リーグ屈指の手駒がそろうだけに強固なリリーバーが形成されれば、勝利をさらに伸ばすことが可能になる。

 戦力的な部分では外国人の選定にも課題を残した。右の大砲として獲得したロマックは0本塁打、押し出し四球と犠飛の2打点に沈んだ。中継ぎ候補としてシーズン途中に加入させたブロードウェイも制球難を克服できずに機能しなかった。一方で、来季の残留が決まっているロペスは文句なしの活躍で契約を勝ち取り、エリアンも勝負強さを印象づけた。来季に向け、新たに新外国人4選手を獲得。計6人の助っ人陣の働きがAクラス以上の結果に直結する。【DeNA担当=為田聡史】